紋を消した痕


新しい呉服屋さんが、近所の大型ショッピングモールに入ったらしい。新聞に挟み込みの広告が入っていた。洗いが1枚1,000yenとある(2枚まで)。ほんまかいな?である。職人さんが当日は来訪して、持参した着物の相談にのってくれるという。

疑心暗鬼ではあるが、まあ持って行ってみようかと、姉に頼んで車で帯2枚、着物5枚ほどを持って行った。姉はもっとようさん持って行って見てもらい〜と言うが、いや、やはり最初はお試しとして、、、一回で持てる位を持参。


画像はその一枚、黒のひとつ紋の羽織である。柄は、御所車と雀、おそらく。とにかく渋い。魔力でもあるのではなかろかと思う位、格好のいい羽織である。雀は少々立体的で、シルクスクリーンの様に上から顔料をのせた感じ。もっとわかりやすくいうと、「印伝」の様な雰囲気なのである。ぽこんぽこんと顔料部分が出っ張っている。裏地は紅葉柄なんである。うっとりほれぼれするぐらい粋な着物である。

先日、虫干ししようと、たとう紙から出すと、防虫剤の後染みか何かわからないのだが紫色の丸い染みが両袖についていた。”ええーっ?防虫剤が汗かいたんかしらん?なんで〜?”と泣きそうだったがもうしゃあないとあきらめた。

職人さんの話を聞くと、この紫色の丸染みは、多分、袖の紋を抜いたあとだろうと言う。
右袖は前側、左袖は、背中側にその痕がある。(写真参照)

左袖が後ろ側に染みがついてるのは、多分、袖の前後を付け替えたのではないかということであった。へえ〜。そんなこともわかるのね。
見積もってもらったら、洗いと染み抜きで行けるとの事で、5000円ちょっと。これはお願いする事にした。

紋を抜いたあとに、黒の色染めはした方がいいのか訊ねたが、気にされないのなら、このまま着られたらどうですか、とのことだったので、このまま着ることにした。原因がわかったので気が楽になった。

結局、3枚だけ洗いに出した。

帰りにその報告に、母に見せに実家に寄る。聞くと、これはばあちゃんの羽織だったものらしい。
よく祖母が着ていたのを覚えているという。

1年前に、カビの来た母の留袖を、思い切って洗いに出した。カビ取りや、色補正で、結局5万ぐらいかかったので、着物の手入れは手間とお金がかかるのね〜と冷や汗物なのである。まあ、整理している経過の報告はしておりまして。沢山預かった着物の手入れが追いつきません。

まあ、今回出してみて、仕上がりを見て、今後どうするかを考えようと思います。まだ、仕舞えていない帯が3枚ほど、、。これをはよ、箱にしまわないとね。

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